モデルだった亡き母に会えた日

亡き母が表紙のモデルを務めた、雑誌「女性ライフ」を入手しました。昭和21年の発行で、定価は「金五圓」。純白のウエディングドレスを着た母が、絵で描かれています。

トークショーの資料をネットの古書店にて探していると、ある書店に「女性ライフ オール結婚號」の在庫があることがわかりました。

母は15年ほど前に亡くなりました。若い頃に「女性ライフ」という雑誌の表紙モデルとなり、ウエディングドレスを着たと話していました。そのときの写真も家にありました。

ひょっとしてと思い、その書店に注文。今朝、ポストに茶封筒が入っていました。ドキドキしながら開けてみると……

左は「女性ライフ」の表紙に描かれた母、右は家にあった当時の母の写真

「あ!ママだ!」
大声で叫びました。家族が集まってきます。受験生の娘は、初めて見る自分の祖母の絵にビックリして「有名人だったの?」と聞いてきました。

雑誌は敗戦の翌年に発行されたもの。林芙美子や石川達三が原稿を寄せ、壺井榮の小説も載っています。ちなみに表紙の絵を描いたのは木下孝則という画家さんです。

母がウエディングドレスを着たのは、これ一度きり。結婚せず、40歳のときに未婚で私を産みました。

はらはら涙が溢れてきました。
ママ、本当に綺麗だったね。産んでくれてありがとう。娘は、ママにそっくりに産まれてきたよ。
私は、貴女の死化粧のため小説を書いています。頑張るよ。