年明け「ふたつの月に濡れる」劇場上映決定
映画『ふたつの月に濡れる』
(2024オーピー映画 佐々木浩久脚本監督)
キーカラーの赤は、日常に調和しないまま、少しずつズレたり閃光のような衝撃で現れました。頭とホルモンが揺さぶられます。
俳優陣の、本能のポテンシャルが見事に結実した幸運。人間の罪と孤独が繊細に描写され、いいようのない怪奇が漂い、祭囃子の音は懐かしい情緒を覚ましてくれました。
佐々木監督の、日本映画へのオマージュ、自身の存在を投影する脚本、色彩に役割をもたせる美学。
マトリョーシカのような脚本編集がうねりをもたらし、美しい色味の映像は抒情詩を紡いでいます。
手法は違っていても、また佐々木監督と言葉は交わさなくとも、同じ源泉からわかれた川の流れを観ていた不思議さ、巡り合わせに驚かざるを得ません。映画館の中にその水脈の光りを観た奇跡。
これ以上、言葉にするのはチープになるので、どうかお時間許されるなら劇場でご覧になってください。
自著原作小説の映画の上映は、テアトル梅田1月14日、そして2月はキネカ大森、順次上映となります(日時が決まり次第ご案内させていただきます)。
どうか、この機会にぜひとも観ていただきたく存じます!
本年も、健やかで楽しい一年をお過ごし下さいませ。